相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 シュタインにわからないようにスマートフォンの画面に目をやり、先ほどと同じ旧約魔法を狙っていた?
 おい、これを見ろ!!
 シュタインはすぐさまソワールを盾にし、旧約魔法の発動を中断することになった。
「よし決めた。お前がワシについて来い」
 シュタインは矢子を指名し、同時にスマートフォンをその場に置くように指示。
「ちょっといいですかシュタインさん?」
 その様子を冷静に見ていた善明は、ゆっくりと手を挙げてシュタインに声を掛けた。
「またか。今度は何だ!?」
「矢子、彼女はやめた方がいいですよ」
「・・・そうか。お前コイツに惚れているんだな?」
「あ、いえ。実は旧約魔法は別にあのスマートフォンはいらないんです。彼女は旧約魔法を暗記しているんで、途中で使われたらどうなるか・・・」
 え!?
 矢子は首を横に振ろうとしたが、話はドンドンと進んでいて口を挟めない。