相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「シュタインさんわかりました。降参です降参。霧発生装置は間違いなく持ってくるんで落ち着いてください」
 善明は大きく深呼吸をし、ゆっくりと両手を挙げて口を開いた。
「なら早くしろ!!」
「あの一階にある機械ってどうやって動かすんです?オレたちじゃ・・・」
「お前、そんなこと言ってこの女とワシを引き離そうとしてるな〜?ダメだ、お前らで何とかしろ!!!」
「いいんですか?また煙とか出してしまいますよ?オレたち機械は不慣れなんで」
「・・・・・」
 それを聞いたシュタインは考え込み、善明はゆっくりとある行動を。
 いや待てよ・・・、やっぱりあっち・・・いやこっちならワシでも何とかなるかな・・・。
 矢子と善明の方を交互に見比べ、矢子を指さしては善明を指さし、善明を指さしては矢子を指さして悩んでいる。
 善明はそれを黙って見ていることしか出来なかったが、矢子は逆にチャンスだった。