相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 だが、善明はそれ以上口にしても意味がないと思ったのか口を紡ぎ、作り笑いを。
「それでは私はこれで〜」
 ステファンはそそくさと部屋を後にし、後には散らかった部屋と喪失感が残っている。
「ねえ矢子」
「何?」
「ステファンさんといると疲れない?」
「そうかな?私は楽しかったよ」
「まあいいや。それより矢子にこれ渡しておくね」
 孫の手魔法の杖を渡された矢子は、マーベラーに渡されたやつよりサイズが小さく、そのままポケットへ。
「他に使えそうなやつもある?」
「う〜んとね」
 部屋が散らかているのと魔法の素人である善明は、矢子だけが頼りで一人単独で探していた。
 これは・・・見たことないな〜。
 右にあった物を左へ、左へあった物を右へと繰り返し、何か使える物がないか探す矢子。
 しかし、善明には更に部屋を散らかしているだけにしか見えず、気のせいか魔法で物を増えてる気がした。