時計台の屋上。
 屋上には下から上がってくる階段と転落しないように設置されている頑丈な柵、それから時計の針をメンテナンスするために使うハシゴがある。
 また、来るものを全て拒むほどの強い風が常時吹いており、気温も下にいる時よりも冷たく寒い。
 ハァ、ハァ、ハァ・・・。
 息を切らしながら階段を駆け上がったソワールは、休む間もなく機械の電源を切った。
 ヒューーーン。
 街を覆っていた霧はどこからか吹いてくる風とともに消えた、時計台から見える本来の街の姿に戻り安堵。
「よか・・・った。これでもう・・・」
 長い階段で体力を使い切ったソワールは、その機械の前でへばってしまった。
「これで・・・・・二人はもうこれを・・・」
 と、下からここに上がってくる音が聞こえ、ソワールは目を見開いて階段に注目。
 そこには矢子と善明の姿があり、ソワールは何故か二人を警戒していて、機械を盾に身を隠す。