善明の帰りを待つ矢子。
 ZZZZZ。
 暑くも寒くもないこの場所で呑気に眠っており、目を覚ますような様子などない。
『・・・子、矢・・・・・!!』
 どこからか聞き覚えのある声が聞こえるが、眠くて動きたくない。
『矢子、・・・・・夫か?」
 遠くから自分の名前を呼んでいることに気づくが、眠さが勝っていて動けない。
「矢子!?矢子ーーーーー!!」
 その声を聞いて、ようやく目を覚ました矢子は聞こえてくる筒のところに。
「よ、善明」
『もうーーー。出ないからびっくりした〜』
「ゴメンゴメン。それで答えがわかりそうなやつは見つかった?」
『バッチリ。辞書みたいなやつがポツンとあってさ、どれを押したらいいかもすぐにわかったよ』
「へぇー。ならスイッチに乗るから待っててね」
 矢子は先ほどの手順を実行し、五階から大きな音が聞こえた。
『じゃあ、五階のやつ片付けてくる』