相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 よし!!
 善明は扉の前でタイミングを計り、辺りをキョロキョロと警戒。
 いち、にの・・・・・・・・さん!
 図書館に入るとソワールはその音に気づいたのか、扉の方に目をやると驚いた顔をしていた。
「えっと・・・そう、善明さん。どうしてここにいるんです?」
「いやね。ちょっと調べ物を」
「だってあなたは帰った・・・」
「それよりソワールさんいいですか?」
「・・・はい何でしょう?」
「あの霧発生装置はあなたが独自に作ったやつですか?」
「・・・違います。アレは・・・」
 ソワールは言葉を詰まらせ、善明の言動一つ一つに注意を払い、いつでも逃げる準備をしている。
「実は・・・、この図書館の古い文献に設計図があって・・・」
「設計図?」
 鋭い目つきにあたふたしだしたソワールは、目は泳いでいて、状況が掴めていない。
「その設計図を見て霧発生装置を作ったのか。それならあのペンライトやランタンも?」