相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 そして手を離すと、カチカチと音を出しながらレバーは元の長さまで戻るのを待つ。
 なるほどね。
 矢子はそれを見て、この部屋のカラクリを理解したのだが、足元にあるやつのどちらが正解はわからない。
「レバーはどこまでも伸びる」
『なるほどね。他には何もないようだし、どっちかに引っ掛けたらいいってことか』
「問題はどちらに引っ掛けるかなんだけど、どっちが正しいと思う?」
『そのレバーの位置と引っ掛けるやつはどんな配置か説明してくれる?』
 矢子はレバーが真ん中に垂れ下がっていること、そしてレバーを頂点に三角形のように引っ掛けるところがあることを伝えた。
 またその他善明のいる部屋と今いる部屋の違いを伝えるのだが、どちらに引っ掛けたらいいかのヒントにはならない。
「試しに適当に引っ掛けてみる?」
『安直だな〜。小説やマンガの登場人物なら真っ先に痛め目みるパターンだよ』