相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 先ほど矢子が入ってきた入り口は閉じ、部屋に閉じ込められた状態に。
「入り口が閉じたよ。そっちに変わったことは?」
『いや何にも。ちょっと部屋の周りでも調べてくれる?』
 レバーから手を離すと先ほどの音が鳴るが、矢子は気にせずに辺りをくまなく調べた事に?
 壁には安全四か条と書かれた紙や修理後が残る床など、気になり出したらとことんありそうなものばかり。
 と、レバーの下の方に、持ち手を引っ掛けられそうなところが二箇所。
「善明、怪しさ満点のやつがあった」
『怪しさ満点?どんなの?』
「一つはカチカチって音がするレバー。もう一つは足元にこれを引っ掛けるようなやつ」
『レバーと引っ掛けるやつの数は?』
「レバーが一つ。引っ掛けるやつは二つ」
『レバーってどこまで伸びるか試してくれる?』
 矢子は言われたとおりレバーを引っ張れるだけ引っ張ると、掃除機のコードのようにいつまでも伸びそうなほど伸びた。