上についた矢子は、先ほどにはなかった隠し部屋を見つけた。
 中におそるおそる入っていくと、先ほど善明が入ったような部屋がそこにあり、捜索を開始。
 と、目の前に天井から電車のつり革のようなレバーがあり、矢子は何も考えずにそれを引っ張った。
 カチカチカチカチ。
 矢子はゆっくりと手を離すとまた同じような音が聞こえだしたので、慌ててレバーを引っ張った。
「これも離すと元に戻るのか・・・うん?」
 よく見ると近くにパイプがあり、何処かに繋がっているような作りをしているみたいで、矢子はふざけて声を発した。
「あ〜あ、聞こえますか聞こえますか?」
『・・・・・・・矢子?』
「え、善明の声?・・・善明なの?」
『ああ。どうやら矢子の階にも同じようなやつがあるみたいだね』
「ねえ、そっちに変わったことはなかった?」
『いや、とりあえず手を離してみようと思うんだけど』
「うん、一回離してみて」
 ドーン。