善明の体力や気力も回復をみせ、ショウ・ロン・ポーは帰った旨を伝えた後、二人で霧発生装置を探す。
 しかし、どれだけ探しても廃棄物の山からそれらしくものが見つからないまま、一時間が経過。
「ない、ないないないーーー、見つからないーーーーーー!!」
「矢子落ち着けて」
「もう辺りをしらみつぶしに探したし、ここには何もないんだよ」
「まあまあ慌てない慌てない」
「そうだ!ブリキのおもちゃ君から何か聞かなかったの?」
「終始泣きじゃくってて。せめて先に聞いておけばよかった」
「はい、善明探してて」
「どうするの?あ、旧約魔法!」
「ううん。体力的に疲れたから私だけ休憩する」
 座れそうな廃棄物に腰を降ろし、手足を伸ばし、それから一点を見つめて動かなくなった矢子。
 ハァーーー。
 体力的にも精神的にも疲れが増すのを感じた善明は、捜索を再開するが、もちろん何も出てこない。