相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「それにちゃんと訓練してないこの子らじゃー、途中で遊ぶダーかもしれないダー」
「そうか。なら頼りはポーだけか」
「なあ、主人様は旧約魔法があるダーな。他に何か出来ないダー?」
「捕獲するようなやつは覚えなかったし。そもそもそんなことないじゃん普通?」
「そんな考えじゃダメダー。旧約魔法はあらゆることに対応して覚えるダー」
「・・・はい」
 その様子を見ていたショウとロンはまたもや変なダンスを始め、矢子たちは完全に行き詰まった。
 アレ?さっきから声が。
 ふと、何の音もしなくなったことに気づいた矢子は、ブリキのおもちゃに見つからないように顔を出すと、そこにはへばって尻餅をつく善明の姿が。
 よ、善明!?
 今にも出そうな声を押し殺し、善明の身を案じた。しかし、善明は尻餅をついたまま、何の変化もない。
 矢子は辺りを見渡すとブリキのおもちゃとブリキ姫の姿がないことに気づき、しーんとしていた。