相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「その・・・・・・・・ハハハハ・・・」
「イジメたんだね?」
 ブリキのおもちゃはデモンストレーションとして近くにあった鉄の廃棄物を手に取り、握りつぶして破壊した。
「あ、そうだ!ブリキ姫がね、もうやめろって言っていたよ」
「ウソ、僕は姫ちゃんから言われないと信じない。早く姫ちゃんから離れろ」
 そうしたいのはやまやまだが、離れた途端にブリキのおもちゃの餌食になるのは必至。
 そう考えた善明は、矢子に目で合図をし、それを見た矢子はブリキのおもちゃにわからないように合意。
「それは無理」
「何で?」
「ブリキ姫がオレを指名したんだぜ?」
「ふぇ?」
 自体が飲み込めていないブリキのおもちゃの目は、みるみる涙目になっていき、動揺を隠せない。
「そ、そ、そ、そんなことないよ!!だって姫ちゃんは・・・」
 完全に泣きじゃくっているブリキのおもちゃを見た矢子は、ショウ・ロン・ポーを連れて近くに身を潜めた。