───コツ、コツ、コツ───…

あぁ、またこの時間がやって来た…

今は夜中の2時ぐらいだろう。

こんな夜中に人は来ない。

”普通”は……

「おい、起きろ。若がお呼びだ。」

「…………はい…………」

こいつは多分、組で下っ端のやつ。

間を置いてから喋ったのが納得いかなかったのだろう。

「てめぇ、なんだよ。”奴隷”のくせに俺に逆らうつもりか?ああ?」

「…申し訳ございません…」

チッと舌打ちし私に繋がっている鎖を持ち来た道を戻っていく。