気にしなければ。

きっと彼には気がつかなかった。



懐かしい声が聞こえて、ふと私は顔を上げる。

ボンヤリした輪郭が急にシャープになって。

彼に気がついた。

もう何年、会っていない?

その声を…いつから聞いていない?

懐かしすぎて。

たまらなくて。

声をかけた。



驚いた彼は目を丸くして笑った。

会いたかったよー…

ずっと、気にしてたんだよ。



ようやく、再び出会えたね…