''ドンッ''
一瞬の事だった
何かが落ちたような
そんな音
ただそれだけ
瞬きをする暇もなく
ゴオッ
強い風が吹いた
とても、立ってはいられなかった
私はそのまま吹き飛ばされた
''バキッ''
頭に直接響くようなその音と共に体に鈍い痛みが走る
「かはっ…」
ドサッ
私は地面に落ちた
何が起きたのか解らなかった
ずり……
痛みを堪えながら立ち上がる…
そこで見たものは
悪夢のような世界だった
離れたとこにあった小さな村から火柱が上がっていた
ちょうど、そう、
''あの音がした方角にある村''
村は炎に包まれ
近隣の草木はまるで
そこだけ抉られたかのように失くなり
はだけた地面は真っ黒に染まっていた
空は村からあがる黒煙で満たされ
灰がはらはらと降っていた
木々は焼け焦げ
そこは真っ黒な世界だった