サヨナラなんて言わせない

「ん~、おいしいっ!やっぱり司の作るオムライスが一番だね!」

「はは、涼子は大袈裟だなぁ」

「大袈裟なんかじゃないよ!この味にはどんな高級店のものでも敵わないよ」

そう言って大きな口を開けてすくい上げたオムライスを頬張ると、途端に頬が緩んでにこーっと幸せそうな顔で笑った。
幸せ~という言葉が全身から溢れ出ているのが伝わってくる。

彼女のこういう飾らないところが好きだ。
変に自分を良く見せようなんてせず、常に等身大の自分でいてくれる。
そんな彼女に少しでも笑っていてほしい。

彼女と付き合うようになって知ったのだが、俺は割と尽くす体質の人間らしい。
彼女が喜んでくれるなら、どんなことでもしてあげたい。

元々料理が嫌いじゃなかった俺は、たまにこうして彼女にご飯を作ることがあった。
いつも美味しい美味しいと喜んで食べてくれていたが、あるとき作ったオムライスが特に気に入ったようで、それからは定番メニューとなった。
色々作った中でもオムライス、オニオンスープ、アボカドのサラダ、
この組み合わせが彼女の中でのゴールデンメニューとなっていた。

今日も彼女のリクエストに喜んで腕を振るった。