サヨナラなんて言わせない

『あんたみたいな顔だけのつまらない男なんて願い下げ!』


あの時吐き捨てられた言葉が今になって蘇る。



俺は知らぬ間に涼子に嫌な思いをさせていないだろうか?

何か我慢をさせてるんじゃないか?


彼女に会えない夜はいつもこんなことで思考が埋め尽くされてしまう。

どうしてこんなにも不安になってしまうのか自分でも分からない。

彼女を誰よりも信じているのに怖くて堪らない。

彼女と過ごしていると、天国があったらこんな感じなんだろうかと思うほど幸せな気持ちで満たされるというのに。


もしも、・・・・もしもこの幸せを失うようなことがあったら・・・・



夢の中で幸せの絶頂にいたはずの俺はいつも、
気が付けばグラグラと今にも崩れ落ちそうな足場に立っている。

すぐそこにいる涼子に手を伸ばそうとした瞬間、漆黒の闇へと落ちていく。


その瞬間悪夢から目が覚める。

もう何度もそんな夢に苦しめられていた。