サヨナラなんて言わせない

「何言ってるのよ~!だって事実じゃない・・・・って涼子ちゃん?」

急に心配そうなトーンに変わったカナさんの声に視線を動かすと、涼子さんが俯いたまま固まっていた。急にどうしたんだ?

「涼子、どうした?どこか具合でも悪いのか?」

今気付いた社長も不思議そうに彼女の顔を覗き込むが、やはり俯いたまま顔を上げようとはしない。

「涼子?大丈夫かっ?!」

その様子に慌てた社長は彼女の頬に手を添えて上を向かせるようにグイッと動かした。無理矢理上げる形になった涼子さんの顔は俺たちの予想に反して真っ赤に染まっていた。

「涼子・・・・?ほんとにどうした?」

「あ、いや、なんでも・・・・」

「あっ!もしかして・・・」

そのやりとりを見ていたカナさんがハッとしたように口を開いた。

「なんだよ?カナ」

社長は怪訝そうな顔でカナさんに振り返る。でもカナさんはもごもごとはっきりしない態度をとるだけ。一体何なんだ?

「あ・・・えっと・・・・・・・・涼子ちゃん、もしかして・・・・・?」

しばらく考えて口を開いたかと思えば相変わらず意味がわからない。