サヨナラなんて言わせない

それからしばらくして俺がようやく落ち着きを取り戻してから、二人の関係を詳しく教えてもらった。
二人はいわゆる腐れ縁というやつで、南條さんは特殊な事情を抱えるカナさんの最大の理解者なんだとか。簡潔に言えば親友ってわけだ。

でもそれなら尚更謎は深まるばかり。

「え、でもじゃあなんであんな広いマンションなんて・・・?」

そう。あんなに広いマンションが必要な意味がわからない。
他に本命がいるってことなのだろうか?
・・・・いや、でもあの生活ではプライベートな時間があるとは到底思えない。
じゃあ何故・・・・?

「さぁ、どうしてだろうねぇ?司」

カナさんが意味深に笑いながら南條さんの顔を覗き込む。
彼は何かを考えるように黙り込んでしまった。

「・・・・・・・いつかな。その時がきたらお前にも話すよ」


それだけ言うと酒を口にした。
いつもは陽気なカナさんもそれ以上突っ込もうとはしない。


・・・・・なんだ?
いつもとは違う空気を感じる。
だがこれ以上酒の力を借りても踏み込んではいけない何かを感じた。

俺が思ってる以上に何か深い理由があるのではないだろうか。

ますます気になったのが本音だが、『いつか』、その言葉を信じて俺は待つことに決めた。