サヨナラなんて言わせない

俺は試験のために死に物狂いで頑張ってるんだとばかり思ってた。
だから合格したことで少しは彼もゆとりのある生活に戻るんだろうと思い込んでいたんだ。

でも実際はそうではなかった。

彼は資格を取得してからも何一つ変わらず仕事に打ち込んでいた。
当然休みなんかとらずに。
一体いつ体を休めてるんだ?!と思うほどに働き通しだった。
いくらなんでも働き過ぎなんじゃ?と思って森さんに話をしたことがあったけど、彼もまた何も言わずに見守るだけだった。


本当に一体何が南條さんにそうさせているのだろうか?!


俺なんかにわかるはずもないままそれから1年半が過ぎようとしていた。
そんな中、森さんと飲みに行った時にまさかの事実を聞かされることになる。

「南條、近いうちに独立するから」

あまりの驚きに俺は持っていたビールを落としてしまったほど。

南條さんが独立・・・・?

いや、彼ならいずれ独立してもおかしくないだけの能力を持った人だ。
そのこと自体は何ら不思議なことではない。
でもあの若さで?!

何度考えても驚き以外になかった。