サヨナラなんて言わせない

「・・・・・え?」

きっと予想だにしていなかったであろう司の目は大きく見開かれた。

司の反応は当然だ。
誰だってこんなことを言われて驚かないわけがないのだから。
でもここでびびっちゃ駄目だ。最後まできちんと伝えなければ。


「驚いたよね?当然だと思う。・・・・・でも、今まで言えなかったけど、自分の中でずっと違和感があったんだ。どうして自分は男なんだろう?どうして女に生まれてこなかったんだろうって。きっかけなんてわからない。この見た目でからかわれたことも原因の一つかもしれない。・・・・でも、自分が男であることに言葉にできない嫌悪感を感じるんだ」

「・・・・・・」

司は何も言わずにじっとこちらの言葉に耳を傾けている。

「誰にも知られずに生きていこうと思ってた。でも段々苦しくなって・・・・。自分の居場所が何処にもないような気がして。だから・・・・司にだけはどうしても・・・・本当の自分の事を知って欲しくて・・・・・。いきなりこんな話をされて気持ち悪いのもわかってる。でも、僕・・・・・・」

話ながら徐々に声が震え始める。
きちんと最後まで伝えなければと頭が指令を出しているのに、
それに反比例して目には涙が溜まっていく。


怖くて司の顔が見られない。
彼は今どんな顔をしているのだろう。
驚きに固まったまま?それとも軽蔑している?

知りたいのに・・・・顔を上げることができない。