サヨナラなんて言わせない

「だって、俺にとっては死活問題なんだよ・・・」

俺の言葉に目をぱちぱち瞬かせると、プッとまた吹き出した。

「死活問題って・・・・あははっ、大袈裟すぎでしょ~」

目尻に涙を溜めて大笑いするその姿が眩しくて目を細める。
まだ笑いの止まらない体を引き寄せるとぎゅっと抱きしめた。

「・・・・司・・・?」

「幸せ実感中」

「・・・・・・プッ、何それ」

呆れて笑いながらも、やがて涼子も俺の背中に手を回してしばらく互いにその温もりを味わった。



***

「じゃあ俺先に行くな。仕事帰りに一度自宅に戻って必要な荷物を持ってくるから、多分8時か9時過ぎになると思う。先に飯食ってゆっくり休んでて」

着の身着のまま転がり込んだ俺は一度マンションに戻らなければならない。
玄関まで見送りに来てくれた涼子にそう告げると、しばらく何かを考えていた彼女がニコッと笑って言った。

「じゃあ今日は私がご飯作って待ってるよ」

「・・・・え?」

「私もできるってこと一応示さないとね。慌てなくていいからゆっくり帰っておいで」

・・・・・これはまた夢か・・・・?
・・・・・・夢じゃない!!

「っ涼子っ!!!」

「きゃあっ?!」

嬉しさの余りガバッとしがみついた俺がまた涼子を瀕死の状態に追い込んで、
その後しこたま怒られたのはまた別の話。