サヨナラなんて言わせない

「この大バカっ!!!」

その声と共に一番激しくドンっと胸を叩くと、涼子の体から一気に力が抜けていった。俺の体に寄りかかるようにして顔をうずめる。

このまま抱きしめてしまいたい。
こんなに近くにいるのに、果てしなく君が遠い・・・・


「・・・・・・でも一番バカなのは・・・」

「涼子・・・・?」

涼子はゆっくりと顔を上げると、涙でぐちゃぐちゃの顔で俺を睨み付けた。
でもその表情は何かを求めるようにも見えて・・・・戸惑いを隠せない。



「そんなあんたを嫌いになれない自分が一番の大バカ者なんだ・・・」



今なんて言った・・・・?
俺はまた都合のいい夢を・・・・

違う!夢なんかにしない!!


「・・・・・・っ涼子・・・・っ!」


次の瞬間にはもう彼女は俺の腕の中にいた。

ずっとずっと夢見ていた彼女を自分の中に閉じ込めて離さない。