サヨナラなんて言わせない

「最後には・・・泣いて謝られた。私のせいですって」

考え込む俺の耳に予想外の事実を告げられ大きくかぶりを振った。

「それは違う。全て俺が悪いんだ。あいつは何度も俺を止めたんだ。それでもやめなかったのは俺だ。全ては俺の愚かさが招いたことなんだ。
・・・俺の母親は男への依存が凄まじくて、俺は幼少期からそれを目の当たりにして育った。俺のことなんて眼中にない。しょっちゅう変わる男に縋って生きてる、そういう母だった」

「・・・・・」

「物心ついた頃から恋愛に対する不信感があった。それでもなんとか好きになった人もいたけど・・・それもあっけなく終わってしまった。だから愛だのなんだのなんて全く信じられなかったし、もう一生誰とも付き合わないって思ってた。
でも・・・涼子だけは違ったんだ。君だけははじめから違ってた。生まれて初めてだった。自分から手に入れたいと思ったのは」

初めて語る俺の心の闇。
今になってよくわかる。何故もっと早くに打ち明けなかったのかと。
彼女ならこうしてちゃんと聞いてくれたに違いないのに。

「・・・どうして?私は何も・・・」

どうして・・・?
理由なんてわからない。
とにかく最初から君に惹かれた。知れば知るほど、君を好きになっていった。