俺は次の瞬間には彼女の言葉も振り切ってエレベーターへと駆け込んでいた。
何度押したところで変わるはずもないのに10のボタンを連打する。
静かに浮上していく機体の動きがとてつもなく遅く感じる。


早く、早く、早く・・・・・!!!


ようやく到着すると、少しだけ開いたドアの隙間から体を押し出す。
そして廊下を全速力で駆けていく。


俺はまた夢を見ているのだろうか・・・・?

彼女に会いたくて、会いたくて、会いたくて・・・・

その思いが俺に幻聴を聞かせたのだろうか?


『上でお待ちですよ』


本当に・・・?


涼子、本当に君がいるのか・・・・?



鍵を解除することすらもどかしい。
ガチャンと音が鳴った時にはもう扉を開けていた。
凄まじい音を立てて中へと入っていく。

ダダダダダダ・・・バンッ!!!!


「涼子っ!!」