サヨナラなんて言わせない

はぁ~と俯いて溜息を零す俺を見てカナは言葉に詰まる。

「でも俺はお前のおかげで間違いに気付くことができた。彼女が最終的にどういう答えを出すかはわからない。でも俺は最後まで諦めずに信じるだけさ」

すぐに顔を上げてそう宣言した俺にホッしたように肩の力を抜くと、カナは俺の背中を思いっきりバシッと叩いた。

「イテッ!」

「とにかく今はなんだかんだと考えずに良くなることだけを考えなさい!ちょっとでも調子悪ければ明日出てくることは認めないんだからね?!あ、あと今週末は授賞式があるのを忘れないでよ?」

「あぁ・・・そういえばそうだったな。わかった。これからまた大人しく寝るよ」

「そうしてちょうだい。じゃあまた何かあったときは連絡して。私、今夜はお店に出てるから」

「そうなのか?忙しいのにほんとに悪かったな」

「この借りは大きいわよ?じゃあゆっくり休みなさい。私は帰るわ」

「あぁ、ありがとうな」

カナは振り向きざまに手をひらひら揺らすと、軽快な足取りで部屋を出て行った。やがて玄関がバタンと閉まる音が響いてくる。

俺は体を布団に横たえると、ガランとした室内をぐるりと見渡した。


涼子との未来を信じてつくったこの家・・・・


目を閉じながら色んなことが一気に思い出されていた。