サヨナラなんて言わせない

その音にハッとする。
・・・・夢じゃない。

室内を見れば既に暗くなっていた。
今は夜なのだろうか?
頭が痛すぎてなにも思い出せない。

それにしても一体誰が・・・・?
この場所を知っている人間なんてほとんどいないのに・・・・



・・・・まさか・・・・・・・まさか涼子が?!


そう思った途端、鉛のように重い体を起こして玄関へと一直線へと走っていく。
モニターがあることなんて微塵も覚えちゃいない。

ガチャガチャ、バタンッ!!

扉がぶっ壊れるんじゃないかという勢いで開けると、そこに待ち望んだ相手はいなかった。


「・・・・・カナ・・・・」




・・・はは、彼女がここに来るわけがないじゃないか。
よく考えてもみろ。
ここを知っていることはおろか、話すら聞いてもらえないというのに。

急激に現実に引き戻されていく俺の体から力が抜けていく。
ここまで走ってきたのが嘘のように重くなる体を支えることができない。

「司っ!!」

その場に膝から崩れ落ちた俺を見てカナの悲鳴が上がった。