サヨナラなんて言わせない

今すぐ追いかけて涼子の体からあの男を引き剥がしたい。
いっそのこと鍵を開けて室内に突入してやろうか、
そんな激情が俺の中で駆け巡る。


あの男はまだ泊まると決まったわけではない。
フラフラな彼女を送るだけかもしれない。
涼子にはあの男に対してそういう感情はない。


・・・・・本当に・・・?


少なくともあの男は本気だ。
もし本気で涼子に想いを伝えたらどうなる?
彼女は本当に拒むのだろうか・・・?

彼女は軽々に男を部屋に招き入れるような女性では・・・・



答えの出ない迷路へとまた迷い込んでしまう。




俺が彼女を信じなくてどうするんだ。
そんな弱気では彼女を取り戻すことなんてできやしない。
しっかりしろ!!

俺は自分自身を奮い立たせる。











だがその夜、どんなに時間が経とうともあの男がマンションから出てくることはなかった。