サヨナラなんて言わせない

「じゃあ悪いけど俺は一旦帰るぞ」

「え~・・・・・・・はい・・・」

ったく、お前は本当にそっち系の男じゃないのか?
と聞きたくなるくらい俺に懐いてるのも嬉しいのか悲しいのか。

「しょうがないわね。岡田、今夜あの店に連れてってあげるわよ」

「えっ、カナさん本当ですかっ?!」

困り顔の俺の隣から天の声とも言える助け船が出された。

「いいのか?」

「別に構わないわよ。元々今日は手伝いに行く約束してたんだし。岡田が来たら店の子達も喜ぶしね」

カナは今でも週末になるとあの店に出ることがしばしばある。
ワンコ系で愛着のあるキャラの岡田はあの店の子にも人気があるらしい。
岡田、お前狙われてるぞ。

「やった~!俺、俄然やる気出てきたっス!」

事実を知らない岡田の喜びっぷりを見ると若干良心の呵責を感じるが・・・
許せ、岡田。

「じゃあカナ、悪いけど後は頼むな」

「了解」

「社長、お疲れ様でした!」

さっきまでの態度が嘘のようにすっかりご機嫌になった岡田に苦笑いしつつ、俺は事務所を後にした。