サヨナラなんて言わせない

「涼子・・・・」


涼子が泣いている。
俺のせいで。

もう二度と泣かせないと誓ってこの3年を過ごしてきたのに、
また俺は間違ってしまったのか・・・・?

どうして・・・・一体どうしてこんな・・・・


「お願いだから、出てって・・・・」


怖いほどの沈黙が二人を包み込む。


・・・・今はこれ以上は無理だ。
彼女に話をしたところで到底聞き入れてなどもらえない。

己の不甲斐なさに唇を噛みしめる。全身が震える。
グッと目を閉じて再びゆっくり開けると、目の前にいる涼子の姿を真っ直ぐに捉えた。
だが彼女は俺を見てはいない。

「今日は・・・・帰る。またあらためて話を聞いて欲しい。涼子・・・・すまなかった」

絞り出すようになんとかそれだけ言うと、フラフラと覚束ない体を何とか動かして玄関へと歩いて行く。途中何度か振り返ったが、一度だって彼女が俺を見ることはなかった。