サヨナラなんて言わせない

しばらくの沈黙の後、掠れる様な声で涼子が口を開いた。
俺に背を向けたままで。

「・・・・・・いつから・・・?」

「え?」

「いつからだったの・・・・?・・・・最初から・・・・全部嘘だったの・・・・?」

絞り出すように放たれたその言葉に息が止まる。

な・・・に・・・・?
一体彼女は何のことを言って・・・


ドクンドクンドクン・・・・!


急激に心拍数が上がっていく。
落ち着け!まずはよく話を聞いてみなければわからないのだから。

「・・・・涼子さ・・・」

「もうそんな演技はいいよ」

俺の言葉は低く冷たい声に遮断された。
そして彼女の放った言葉は決定的なものだった。

ばれている・・・・?

俺の記憶が戻っていることを・・・彼女は知っている・・・?
一体いつから?
今朝の俺の言葉からそう感じたのか?

・・・・いや、それならこんな空気にはならないはずだ。
ならば何故・・・?