「今日は3時くらいには切り上げて帰らせてもらうから」
事務所に行くと開口一番俺はカナにそう告げた。
「了解。涼子さんにはもう言ってあるの?」
「あぁ。今夜話を聞いてもらえるって承諾を得た」
「そっか。ほんとにいよいよなのね。・・・いい知らせが聞けるように祈ってるわ」
「あぁ。・・・たとえすぐには無理でもいつかわかってもらえるように頑張るよ」
「そうね・・・。この3年死にもの狂いで頑張ってきたんだものね」
「・・・・・」
カナの言葉を背に窓の外の景色へと視線を送る。
・・・本当に、この3年は色々あった。
あの日、この事務所に初めて足を踏み入れたときも、こうしてここから窓の外の景色を眺めたことを思い出す。
今ここにこうしていられるのも、奏多をはじめとして色んな人の支えがあったから。
そして、涼子をいつかこの手に取り戻すという揺るぎない想いがあったからこそ。
その想いはあの時以上に強いものへと変わっている。

