サヨナラなんて言わせない

「ところで涼子さんは?もう大丈夫なの?」

「あぁ、今日から仕事に復帰したよ。無理は禁物だが今の彼女なら俺の話も聞いてくれる。無茶さえしなければもう大丈夫だろう」

その言葉を聞いたカナは安堵したような顔で椅子に座った。

「・・・それで?ここに来たのはただ仕事をするためだけじゃないでしょう?」

さすがは長い付き合いだけある。彼には何でもお見通しだ。

「・・・あぁ。週末・・・。金曜日の夜に話をしようと思ってる」

「・・・・・そう。いよいよなのね」

向かい合って座る俺たちの間に何とも言えない沈黙が流れる。

「もう覚悟はとっくにできてるんだ。後は彼女が芯から回復するのを待つだけ。
今の彼女なら冷静に話を聞いてくれると思ってる。・・・まぁビンタの一発や二発は覚悟してるよ」

「グーパンチかもよ?」

カナが突きだした拳がシュッと空中で音を立てる。

「ははっ、かもな。でもそれで済むならいくらでも甘んじて受けるさ」

「そうね・・・」