サヨナラなんて言わせない

まずはきちんと俺が君に全てのことを話してから。
それをしないことには君と本当の意味で向き合うことはできない。
そのためにはまず君に元気になってもらうこと。
全てはそこからだ。

「気分はどうですか?まだ熱があるので辛いですよね?」

ハッとした彼女が顔を上げる。

「今何時・・・?」

「今は月曜の8時です」

「げ、月曜っ??!!」

出掛けたのは土曜日なのだから驚くのも当然だ。

「帰ってきてから涼子さんはずっと寝込んでたんですよ。だから今日は仕事はお休みしてください」

「しごと・・・はっ!仕事っ!!!」

我に返った彼女が急に動いた瞬間、グラリと揺れた体が倒れそうになる。

「涼子さんっ!」

華奢な体を咄嗟に受け止めると、そのまま抱き込むようにして顔を覗き込んだ。
彼女の顔が赤く染まる。
・・・・・以前と変わらないその反応に胸が疼く。