「おはよ。優河。」 「はよ。」 俺は桜崎優河。こいつは、俺の1個上の 兄の綾河。 「たく。優河って奴は。今日は入学式なのに茶髪にピアス……ヤンキーに目ぇつけられんぞー。」 綾河の緩いウェーブのかかった黒髪が揺 れる。 「別に。返り討ちにしてやるし。」 「そうだな、空手とかしてたもんなぁー。」 「じゃあ、先行くわ。」 「あぁ。」 俺は家を出た。