「おい!なんか言えよ!」
大野さんはずっと怒鳴られているにも
関わらず何も言わずただずっと
一点を眺めていた
「あの!すみません!
何があったんですか?」
私はなぜか勝手に体が動いていて
大野さんとその男の人を引き離していた
そして大野さんを庇うように前に行き
話を聞いた。大野さんは
手をはなされてすぐ壁にもたれかかった
「そいつ!俺にぶつかってきて
謝れっていったら殴ってきたんだよ!」
男の人はそう言ったら口元を
指さした よく見たら血が出ていて
殴られたことがわかる
「ぜってー許さねぇ!
おい!てめぇ、ネットに流してやる!」
男の人はすごく怒った様子で大野さんを
怒鳴りつける でも大野さんは無反応
どうして、何も言わないの?
「うわぁ、こんなやつだったんだ」
周りからはそんな声が聞こえてきた
周りを見ると写真を撮っていたりしていた
「あの、これ以上ここで
なにかするようであれば
警察呼びますよ?」
ケーキ屋の店員が迷惑そうに出てきた
「あぁ!呼べよ!こんなやつ
世間でいつもきゃーきゃー言われて
調子乗ってんだよ!警察呼んで
捕まってしまえばいいんだ!」
「あの!」
私はとっさにそれを止める
大野さんはそんなことする人じゃない
会ったことなんてないし
TVでしか見たことないけど
信じてるから、何か理由があったんだ
「お願いします!
警察ざたにはしないでください!
何か理由があったんだと思います
お願いします!許してあげてください」
私は頭を深々と下げて男の人に謝る
「な、なんなんだよ!お前
こいつの知り合いなのか?」
急に謝ってきた私に男の人は驚く
「違います!でも私はTVで
この人をたくさん見てきました。
表面しか見えないかもしれないけど
信じてるんです!お願いします
代わりに私が謝ります!
傷のことは本当にごめんなさい!
許してくれませんか」
私は誠意が伝わるように目を見て
きちんと謝った。
「わ、わかったよ…」
男の人はそう言ってそのまま
車に乗り込み帰ってしまった
店員さんも男の人が帰るとお店に
入っていった
あとは・・・
「みなさん!今回のことをネット等に
流さないでもらえないでしょうか?
お願いします!こんなことで
moonを終わりにしたくないんです!
お願いします!」
私は野次馬をしていた人達に頭を下げた
これでネットにバラまかれたら
結局一緒だ、なんとしてでも
みんなに流さないようにしてもらわなきゃ
「頭あげて?流さないよ。
写真も消す。だから頭あげて?」
近くにいたおばさんがそういって
頭を上げさせてくれた
みんなの表情は優しくて…
信じられそうだった
「はっ!なにいってんだよ
こんなのめっちゃ売れるし
流さないなんて言うわけねぇよ」
そのとき近くにいた高校生ぐらいの
男子がそんなことをいった
私が少し怒った形相で近づくと
その人はすこし驚きながらなんだよ
とか言っていた
私はその人の前で止まると
土下座をした
周りの人がざわっとしていた
「お願いします。その一つの行動で
何百、何万と言うファンが
傷付くんです。それだけで
ある五人の人生が変わるんです。
お願いします、やめてください」
私は土下座をしたまま
その男子にお願いした
そのとき周りの人が拍手した
「ねぇ、ここまで言ってんのに
まだやんのかい?」
さっきのおばさんがその男子に
問いかける。
「ちっ、わかったよ、消すよ…」
みんなに責められた形になって
男子は諦めた様子で携帯をいじる
「ホント?!ありがとう!」
私はその男子の手をつかみ
笑顔でお礼を言う
「ほら、もう消したよ」
男子が見せた携帯の画面には
消去しましたの文字があって
消してくれた証拠を見せてくれた
「じゃあ、私はこれで!」
私はすぐに大野さんに近寄る
「あの、立てますか?
少し移動しましょう」
大野さんに肩を貸して家に向かう
その間も大野さんは何も言わず
ずっとどこか一点を眺めていた

