忘れた

それでも、何回か練習していくうちに、男子が近くにいても平気になった。


というより、そんなことを気にする余裕がなくなったのだ。


「また東さんッ! しっかりしてよ」


「ご、ごめんなさい」


俯いて足に引っかかった縄をまたぐ。


これで何回目だろう。最初は、頑張れ、と言ってくれたクラスメイトたちも、次第にイライラし始めた。


あたしはバレー以外では、運動神経が悪いのだ。


「なーお、気にしないで」


麗が遠くから励ましてくれた。けれど、気を遣ってくれているのが分かるから、余計苦しいよ。


こうして、始めての大縄跳びの練習は、あたしのせいで10回すら続くことなく終わった。





その日の放課後。


あたしは落ち込んだ気持ちを引きずったまま、1人寂しく駅まで歩いていた。


舞花たちとは家が反対方向なので、一緒に帰ることができないのだ。