「最近急に寒くなってきたよね」
「もう11月だしね。空も澄んできて、星が綺麗に見れるようになってきた」
「全く、輝良は本当に星のことばっかりだね」

小さなオルゴールを回して、お互いに好きな本を読む。
いつもと変わらない放課後。



オルゴールの曲は、【星に願いを】だ。



3年生ともなれば、夏頃に部活は引退している。
皆受験へと切り替えるからだ。
かく言う私も、既に推薦で県内の大学への進学を決めていた。


「そういえば輝良、進路決まったの?」
「うん。さっき担任から通知をもらって」
「え、そうなの!?おめでとう!!」

突然の輝良の発言に思わず声を大きくして喜んでしまった。
一瞬固まった輝良だったが、その後にふっと笑った。

「ありがとう。決まったらすぐ空に言うつもりだったんだけど、先に促されちゃったな」
「あ、そうだったんだ…。なんか、ごめん」
「いや、祝ってくれて嬉しいよ。これで俺と空どっちも進路決まったね」