私が輝良と出会ったのは高校2年生の時だった。
たまたま同じクラスになり、たまたま名簿欄号順で席がとなりになったのだ。
輝良は、少しだけくせ毛の黒髪に、男の子にしてははっきりとした大きな瞳をしていて、つい目で追ってしまう魅力的な人だった。
私が恋に落ちるのに時間はかからなかった。
私は輝良と仲良くなりたい一心で、いろいろ彼に質問をしたんだと思う。
その中で、私は輝良が天文部だということを知った。
そして天文部は廃部の危機に陥っているということも。
「じゃ、じゃあさ!私も天文部に入るから、2人で新入生を勧誘しようよ!」
この咄嗟の発言から、私は天文部に入部することになってしまった。
