3年生の廊下の突き当たりに、私の目的地はある。 少しだけ開いている扉を見るあたり、きっと彼はもういるのだろう。 「輝良(きら)、いる?」 扉をゆっくりと開けて、私は中を覗く。 するとすぐに呼ばれた人物が振り返った。 「うん、いるよ。今日は早かったね空」 少しだけ儚げに笑う彼が、いつもと変わらなくて胸が詰まる。 ここは2人だけの天文部。