星に願いを


「…え、どう、して…」




聞きたいことがたくさんあるはずなのに、何も出てこない。

立ち尽くす私を優しく抱きしめながら、輝良は私の耳元で話し出す。


「空に、一緒に天文部の勧誘頑張ろうって言ってもらった時、すごく嬉しかった。初めはあんまり星に興味無さそうだったのに、俺のする星の話はちゃんと聞いてくれてたし、無理矢理な天体観測だっていつも文句も言わずに着いてきてくれた。今では俺の知らない星の話まで知ってたりして、正直悔しいとか思ったりすることもあったんだ」

いつもと変わらない優しい口調。
この体勢だと顔は見えないけど、なんとなく想像できる。


「本当は何度も何度も口からこぼれそうだった。好きだって。でも、怖かったんだ。俺が空のことを好きでも、空は他の人を好きかもしれない。そう思ったら、自分の気持ちを伝えることが怖くなったんだ。…でも今、こうして伝えることができた」