終礼が終わった。
途端にざわめき出す教室から、私は逃げる様に出ていく。

「あ、いたいた!空(そら)!今日一緒に帰ろうよ」

廊下を急いで歩いていたら、後ろから呼び止められた。親友の燦(さん)ちゃんだった。

「あぁ、ごめん燦ちゃん。今日も部室行こうと思ってて…」
「そっか、用事があるならいいの。呼び止めて悪かったね。じゃあまた今度帰ろうよ!」
「うん、そうしてくれると嬉しいな」

おっけー!と言って去っていく燦ちゃんを見送る。
あああ、ごめんね燦ちゃん…。今度一緒に帰ろう。
親友のお誘いを断るのは少し気が引けた。



でも私にはどうしても部室に行く必要があるから。

私はまた急いで廊下を歩いていった。