「まあいいや。先輩、一緒に帰りましょ。
俺、送ってくから」



突然、下に転がっていたサッカーボールを拾って、そんなことを言ってきた高橋くん。




「…え、えぇ!?」


「俺、着替えてくるから先輩も
着替えといてください。
校門で待ってますから!」



拾ったボールをカゴにポンッと入れた高橋くんが、歯を見せて笑ってそう言いながら、走っていってしまった。




「ええっ!ちょっ、高橋くん!」


あたしの叫び声はもう、聞こえてないらしく
部室に入っていってしまった。