「ねえねえ。あの黒髪の男の子
ちょーカッコよくない?」
「それ、あたしも思ったぁ!
声、かけてみる?」
コソコソと話す声が聞こえてきて、
そちらに視線を向けると、他校のマネージャーであろう2人の女の子が、高橋くんの
ほうを見ながら頬を赤らめていた。
その女の子たちを見た瞬間、
ズキッとなぜか胸が痛んだ。
高橋くんのこと見ないで。
なんて、なんとも自分勝手な言葉が
どんどん溢れ出してくる。
なにこれ。
なんで、そんなこと思うんだろう。
「萌菜先輩?どした?」
初めての感覚に戸惑っていると、
いつの間にかそばに寄ってきていたらしい
高橋くんがあたしの顔をのぞき込んだ。