笑顔の高橋くんを見つめながら、
なんだか近所のおばあちゃんに
なった気分になっているあたし。
そんなあたしをじーっと見てきた
高橋くんが
「めっちゃ嬉しいな
萌菜先輩と好きなもの一緒とか」
俺、今なら死ねるよ。
なんて、ちょっと頬を赤く染めながら
照れくさそうに呟く高橋くん。
「死んじゃダメだよ」
ははっと笑いながら、冷静にそんな
返しをするあたしだけど、実際は心臓が
バクバクうるさい。
やばいぞこれ。
高橋くんの色んな表情を見る度に、
心臓がいちいちうるさい。
「あれ、萌菜先輩、どした?」
「な、なんでもない!」
赤くなってるであろう顔を隠すために
きちんと前を向いて座り直した。