「…あれっ」
すると突然、イヤフォンがとれて…というか
後ろからはずされた。
「萌菜先輩、かまって」
「はい?」
その犯人は、あたしの後ろに座っている
高橋くんで。
ムッと口を尖らせて、あたしを
子犬みたいなうるうるな瞳で見つめてくる。
や、やめてそれ…!
可愛すぎるから!
「上田(うえだ)がゲームしてて
つまんない」
どうやら、高橋くんの隣に座っている
上田くんがゲームをしていて、話しかけても
全部無視するらしい。
後ろを向いて、上田くんを見てみると、
ギラギラ目を輝かせて、ゲームに没頭している。