ずんずんと廊下を進んでいく高橋くんの
背中に向かって、「ちょい!」と
叫ぶ。
それでも一向に止まる気配がない。
やっと止まったかと思ったら、なぜか
屋上で。
「なんでここ?」
「萌菜先輩、昨日なんで逃げたんですか?」
あたしの問いかけは思いっきりスルーの
高橋くんが逆に問いかけてきた。
先輩を無視するな!
なんて、心の中で叫ぶ。
「ねえ、萌菜先輩。どうして?」
こてんと首を傾げてあたしを見つめてくる
高橋くん。
そんな高橋くんがなぜか、ものすごく
かっこよくて、あたしはあからさまに
バッと目をそらしてしまった。
いまの、あからさますぎたかな…。



