そう呟いた瞬間、



「きゃー!!!」


「翔くん、かわいいし、かっこいいー!」




ものすごい叫び声が聞こえてきて、思わず
耳を塞いだ。


な、なんだ!?



顔をしかめながら、教室の後ろのドアのほうへと視線を向けると、ものすごい女子の
人だかりができていて。



「………っ」


その人だかりの中心にいる、整った顔を見つけた瞬間、心臓が有り得ないほどバクバクと
音をたてた。



「あー、噂をすればアイドル高橋くんだ」


呑気にそんなことを呟くさやこの肩を
ぱしぱしと叩く。



「さ、さやこ!どうしよう!
……あたし、隠れる!」