「なあ、涼子。」
陸は涼子が去年の4月からなんで急に頻繁に来るようになったのか、本当の理由を未だ聞き出せないでいた。
「なに?」
「なんでさ、去年の4月から頻繁に俺のとこ来るんだよ。」
「いいじゃない、別に。」
「よくない、教えろよ。」
涼子はなんでそんなこと知りたいのと言いたげな眼をして言った。
「フラれたのよ、前にも話したことあるでしょう。」
陸は去年の4月にいきなりアパートを訪れた涼子から、今月の始めに彼氏にフラれて陸のところに来ることにした、と伝えられた。
だが陸は、涼子がフラれるはずがないことなどわかっているのだ。
「涼子がフラれるわけないだろう。」
「もう、毎回しつこいわ。
しつこい男は嫌われちゃうわよ、陸。」
陸は涼子にぴしゃりと言われ、むすっとした様子で朝食を食べ続けた。
涼子はそんな陸をじっと見つめていた。

