笑顔でさよならを

それからは、蒼大さんが来れる日に勉強を見て貰っていた。


お母さんは、「家庭教師代を払う」って言っていたけど、蒼大さんはそれを断り続けたらしい。


だから、「かわりに夕食をご馳走する」って事になり、蒼大さんとは家族ぐるみで仲良くなっていく。


そして、私は……


何故か蒼大さんに会える日がすごく楽しみだった。



夏休みも終わり、学校が始まる。


一緒に帰れる日は、いつも充が家まで送ってくれた。


そして、その日も家まで送ってくれる。


私は充と並んで歩きながら考えていた。


私は今までも彼氏はいたけど、自分から告白をした事はない。


告白してくれた相手に好意を持っていたら、その彼と付き合う


そんな感じだった。


だって、付き合っていくうちに、その彼の事を好きになっていくから。


そう思っていたし、何も疑問に思わなかったのだけど……